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【連載】中国のインターネット事情について(3)中国で一番使われているインターネットサービスは”チャット”

【連載】中国のインターネット事情について(3)中国で一番使われているインターネットサービスは”チャット”

前回は中国で使用されているデバイスやインターネットユーザーの属性についての記事を書きましたが、今回は中国のインターネットユーザーが利用している主なインターネットサービスと中国独特の政策を紹介します。

中国の強力な検閲システム”金盾(キンジュン)”

中国では多くの独自インターネットサービスが開発されています。日本でよく使われている検索エンジンであるYahoo!やGoogleは世界的にも多くのシェアがありますが、中国ではほとんど使われていません。検索エンジンについては”百度(バイドゥ)”が中国で圧倒的なシェアを占めます。
そしてfacebookやTwitter等の世界的に使われているSNSや、Youtube等の動画配信サイトについては、中国において使用することはもちろん見ることすらできません。
これは中国政府のインターネット検閲による政策の影響によるものです。中国国内のインターネットユーザーはその検閲システムにより国外からの情報が規制されます。この検閲システムは “金盾(キンジュン)”と呼ばれています。

この金盾について、ここでは詳しくは書きませんが、中国国内のインターネットサービスは全て国の許可を取り運営していることと、中国から国外のサービスを見る・使う場合、検閲システムによりアクセスが制限される場合があること、とにかく中国のインターネットサービスは国が管理している。ということを覚えておいたほうがよいです。なので、世界中で圧倒的なシェアを持つGoogleであっても国の規制により自由が利かず撤退したという過去があります。
ただし、中国で他国のサービスが流行しないのは国の検閲だけが理由ではありません。中国独特の生活習慣も大きな理由な一つです。中国独特な生活習慣については中国のインターネットサービスの解説で触れていこうと思います。

そういった中国のインターネット事情を知っておきつつ、どのようなサービスが使われているのかを紹介していきます。

中国で最も多く使われているインターネットサービスは“チャット”

中国のインターネット人口は約6億1千8百万人いると紹介しましたが、そのうちの86.2%の約5億3千万人が“チャット”サービスを使っています。(図1:A)

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平成24年度の日本のチャット利用率(図2)は一番割合が高い20~29歳においても20%以下となっており、中国と日本では大きく数字が異なっています。これはインターネットの利用目的の違いというよりも、中国と日本の文化の違いが最も大きな理由としてあげられます。

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中国ではあらゆる場面で“交渉“を行います。もちろん日本でも色々な場面で交渉が行われることはありますが、日本人の場合はある程度のルール、商材だったら金額が決まっているとすんなり納得してルール通りに行動し、決まった金額を払うことが多いです。しかし中国では基本的なルール、商材だったら金額が決まっていても交渉を行うことで、そのルールや金額が変わっていくこともよくあります。そういった文化の違いにより、中国ではインターネット上サービスにおいても同様に、チャットでの”交渉”が行われることがとても多いです。ちろん日本と同じように、仲間同士でのコミュニケーションツールとしても多く使われています。そして“チャット”を多くの人が使うようになったことで“電子メール”を使用するユーザーが減少しています。(図1:B)

代表的なチャットツールとしては騰訊控股(テンセント)が提供している“QQ(キューキュー)“や”微信(ウェイシン/WeChat)”が有名です。近年では中国でも日本での利用者が多い“LINE(ライン)”も大きなプロモーションを行っているので、少しずつ普及してきていますが劇的にユーザーが増えていることはないです。

“QQ(キューキュー)“のアクティブユーザーは世界で約8億人(2013年4月)1 、 ”微信(ウェイシン/WeChat)”のユーザーは世界で6億人(2013年10月)2 となっており、近年では中国国内だけではなく、海外のユーザー(主に華僑や華人)も多く利用しています。QQ(キューキュー)や微信(ウェイシン/WeChat)は日本語アプリもあるので、もし興味がある方は使ってみてください。このブログのサイドバーに表示していますが、私もこれらのチャットツールをよく使っています。

QQ(キューキュー)や微信(ウェイシン/WeChat)の画面は下図のような感じです。(図3、図4)私の感覚ではQQはパソコンで使用することが多いですが微信はスマートフォンオンリーです。というか微信はPC版がまだ無いです。QQや微信は日本でよく使われているLINEやSkypeに似ていますが、一つ大きな違いを挙げるとすれば友達の検索が自由にできるというところです。例えば東京ドームで野球を見ている時に、席から近所の友達検索を行うと、東京ドームにいるQQ・微信ユーザーが一覧で現れます。日本の場合はこういった仕組みを作ると何かと社会問題になってしまうので、日本人には流行らないかもしれないですが、やってみると面白いもんですよ(笑)

図3:QQ(キューキュー)画面イメージ
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図3:微信(ウェイシン/WeChat)画面イメージ
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QQ(キューキュー)と微信(ウェイシン/WeChat)はこちらからダウンロードできます。是非使ってみてくださいね!


QQ(キューキュー)日本語版のダウンロードはこちら
・テンセントQQ日本公式サイト

微信(ウェイシン/WeChat)日本語版はこちら
Wechat日本語公式サイト
※現在はスマートフォンのみ

チャットツールの利用シーンについては、次週以降に紹介する中国のインターネットショッピングの部分でも詳しく紹介していきます。

以上で今回の話は終わりです。
次回は中国のインターネットユーザーが利用している主なインターネットサービスの続きとして、中国版ツイッター微博(weibo/ウェイボー)を紹介します。

  1. 速途網記事「速途研究院:图解腾讯2013年3季度财报」より []
  2. 虎嗅网記事「微信,站在6亿用户的门槛上」より []
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  1. […] <微信(ウェイシン/wechat)からの投票方法> 微信(ウェイシン/wechat)は主に中国で利用されているチャットツールです。使用方法は日本で利用されているLINEに似ています。詳しい説明はこちらのサイトをご覧下さい。[リンクはこちら] […]

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