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【連載】中国のインターネット事情について(4)最もよく利用されているSNS、微博(ウェイボー/weibo)

【連載】中国のインターネット事情について(4)最もよく利用されているSNS、微博(ウェイボー/weibo)

前回は中国の独特の政策と、中国で最も利用されているサービスであるチャットツールについての記事を書きました。今回は中国で最もよく利用されているSNS、マイクロブログサービス微博(ウェイボー/weibo)について紹介します。

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中国の代表的なSNSはマイクロブログ微博(ウェイボー/weibo)

中国のインターネットサービス利用者の45%の2億8千万人が利用しているマイクロブログ“微博(ウェイボー/weibo)” (図1参照)
日本では”中国版Twitter”とニュースなどで微博(ウェイボー/weibo)のことが紹介されていたりするので、何となく知っている方もいるかもしれませんね。
このサービスは中国の新浪(シナ)公司が提供しているマイクロブログサービス新浪微博(シナウェイボー)が有名です。

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新浪微博(シナウェイボー)は世界での登録ユーザーが2013年2月時点で約5億人1、月間アクティブユーザーが2014年3月時点で1億2千万人2 という超巨大なサービスです。
ちなみに日本でもよく使われているTwitterの登録ユーザーが2014年2月時点で約10億人、月間アクティブユーザーは2014年2月で2億4千万人3 なので新浪微博(シナウェイボー)はTwitterの半分くらいのユーザーが利用しているということになります。

実はこの新浪微博(シナウェイボー)ですが、2013年6月時点のCNNIC4 の調査では、中国のインターネットサービス利用者の約55%以上が利用していましたが、2013年になると数千万人のユーザーがサービスを利用しなくなりました。理由としては新浪微博(シナウェイボー)で多くのフォロワーがついていたユーザーのアカウントが消されてしまったことが大きな原因だと言われています。しかし、それでもまだインターネットサービス利用者の45%が利用しているので重要なSNSだということは変わっていません。

日本で有名なマイクロブログはTwitterですが、日本でのマイクロブログの利用率は一番利用している20~29歳のユーザーでも10%を下回っています。 (図2参照)

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中国と日本では利用率で大きな違いが出ていますが、サービス仕様の違いも理由としてあげられますが、一番は文化の違いが大きな理由と考えられます。
日本でマイクロブログがイマイチ流行らない理由としては“Twitter投稿でおこりうる炎上”それによる“世間の目の厳しさ”が度々報道されているということもあり、世間一般的にTwitterを使用して発言するリスクが高いと感じられていることがあげられます。それとTwitterは会員登録してログインしなくても他社の発言内容を見ることが可能です。なのでツイートを見るだけの人は特に会員登録する必要がありません。
一方で中国の方はどうなのかというと、まずは中国のマイクロブログでTwitterを使うユーザーが少ないのは、政府が行っているインターネット規制により特別な方法を使用する以外はTwitterのページを見ること自体ができません。なので中国のユーザーは微博(ウェイボー/weibo)を利用しています。
そして中国でもツイートに炎上が起きているのか?という点では、中国でも炎上することはあります。ただ日本のように世間から抹殺されるかのごとく叩かれることはないです。それと微博(ウェイボー/weibo)だけではないですが、中国のインターネットサービスは政府の検閲を受けています。それにより政府に対する不満・批判や、見るに耐えない下品な言葉については投稿することができない、もしくは投稿後即座に削除されてしまいます。ひどい場合はアカウントを削除されることもあります。
Twitterの投稿は検閲を”する”or“しない”といろんな噂がありますが、実情を見ると全く検閲されていません。なので現在は“匿名での誹謗・中傷の吹き溜まり”となっている問題もあり、今後もこの問題は解決される見込みはないと思います。そういった部分を比べると微博(ウェイボー/weibo)は検閲により安全に運用されているというふうな見方もできます。(多分使っているユーザーはあまり気にしないとは思いますが、検閲によって利用面にマイナスに働いていることは無いと考えます。)
これらの理由から日本ではTwitterの人気が上がらず、中国では微博(ウェイボー/weibo)人気であると考えられます。ここまでが中国と日本の文化の違いから見る利用率の差の話です。

そして、Twitterと微博(ウェイボー/weibo)ではサービスの仕様的にも大きな違いがあります。(図3)

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まず“ログイン無しでページを見ることができるか?”という点ではTwitterはログインしなくても目的のページを見ることが可能ですが、微博(ウェイボー/weibo)はログインしないとページを見ることすらできません。
なので、微博(ウェイボー/weibo)を見るには会員になる必要があります。そして他の大きな違いは投稿できるファイルの種類と数です。Twitterは1回の投稿に1枚の画像のみ投稿可能ですが、微博(ウェイボー/weibo)は一度に9枚の画像まで投稿可能です。他にも微博(ウェイボー/weibo)は動画や音楽ファイルの投稿も可能です。
このように機能面で比較した場合もTwitterより微博(ウェイボー/weibo)の方が充実しており、使い勝手がとても良いです。

マイクロブログについては、中国と日本での文化の違い、そしてその文化に反するTwitterがメインとなっている日本と、文化に合ったサービスを独自で開発・提供している中国とで利用率に大きな差が出たという結果になっています。

そして、つい最近ですが、新浪微博(シナウェイボー)がアメリカでIPO申請5 を行いました。6
今は新浪微博を登録するときは中国語ページでの登録しかないですが、今後は英語版など多言語化した新浪微博が見られるようになるかもしれません。

ちなみに微博(ウェイボー/weibo)で一番フォロワーが多い日本人は、アダルトビデオ女優・ドラマ女優・タレントで活躍中の“蒼井そら”さんです。フォロワー数は2014年3月24日時点で1,470万人となっており、Twitterフォロワー数日本一 “有吉弘行”さんの305万人の約5倍くらいの人にフォローされています。
これを見るとどれだけ中国の微博(ウェイボー/weibo)がすごいかが分かると思います。
というか蒼井そらさんのすごさの方に驚きますね(笑)
他にも歌手ではEXILEやAKB48、女優では酒井法子さんらもアカウントがあり、数万人のフォロワーがついています。

もう一つおまけ情報としては、Twitterフォロワー数が現在(2014年3月24日時点)一番多いのはジャスティン・ビーバーが5,470万人。
そして、ケイティ・ペリーの5,169万人、レディーガガが4,110万人のフォロワーを持っています。
微博(ウェイボー/weibo)のフォロワー数が世界で一番多いのは中国のモデル・俳優の“陳坤 (チェン・クン)”の7,213万人です。
下にアカウントのURLを紹介しますので、是非一度見ておくと良いと思います(^^)

※日本の有名人の公式アカウント(数字は2014年3月24日時点)
蒼井そらさんの微博(ウェイボー/weibo) フォロワー1,470万
EXILEの微博(ウェイボー/weibo) フォロワー7万人
AKB48の微博(ウェイボー/weibo) フォロワー26万人
酒井法子さんの微博(ウェイボー/weibo) フォロワー9万人

※世界の有名人の公式アカウント(数字は2014年24日時点)
ジャスティン・ビーバー(Twitter ) フォロワー5,470万人
ケイティ・ペリー(Twitter) フォロワー5,169万
レディーガガ(Twitter) フォロワー4,110万人

陳坤(チェン・クン)(ウェイボー/weibo) フォロワー7,000万人

  1. 新华网:新浪微博用户数超5亿 []
  2. 新陆网:新浪微博核心数据:月活跃用户数1.2亿 []
  3. TNW:Twitter passes 241m monthly active users, 184m mobile users, and sees 75% of advertising revenue from mobile []
  4. CNNIC( China Internet Network Information Center 中国互聯網絡信息中心)は中国の非営利目的のインターネット関連機関で、主にドメインの登記やインターネット統計調査、インターネットに関わる人材の育成等を行っています。 []
  5. IPO (initial public offering) 新規株式公開 []
  6. 中国のミニブログ新浪微博、米でIPO申請 - ウォールストリートジャーナル日本版 []
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